気になる彼は、左利き!?

池上さん……。

「池上……お前……!?」

「柏木。お前は、俺よりも優秀で尊敬する事は、
いっぱいあるし……その気持ちは嬉しい。
だが俺が好きなのは、一ノ瀬さんなんだ」

「だから……悪い。
その気持ちには、応えられない」
池上さんは、ハッキリと断ってくれた。

その中にも柏木さんの気持ちを
気遣ってるのが分かる。
池上さんらしくて優しい。

それに……私のことを好きだと言ってくれたことが
とても嬉しかった。

「……分かった」
悲しそうな表情をする柏木さん。

彼の表情を見て胸がズキッと痛む。
どんな気持ちで過ごしていたのだろう。

きっと私の考えだと想像が出来ないぐらいに
切ないことなのだろう。
そう思うと何だか可哀想なことをしてしまった。

しばらくして
柏木さんは、帰って行った。
私と池上さんの2人きりになってしまう。
微妙な空気になって気まずい。

周りの人達もさっきの騒ぎで
こちらをジロジロ見てきて恥ずかしいし……。

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