気になる彼は、左利き!?

すると池上さんが
「ごめん。今日は、嫌な思いばかりさせて
せっかくのデートが台無しになっちゃったね」
申し訳なさそうに謝ってくれた。

あ、今日は、デートだと思ってくれてたんだ?

確かに楽していたデートは、
台無しになってしまったけど
池上さんの気持ちも分かり両思いなれたから
それだけで十分だ。

「いいえ。色々おりましたが
どれもいい思い出になりました。それに
池上さんの気持ちが分かったから……その…嬉かったです」
恥ずかしそうに告げた。

私も池上さんのこと……好きだから。

「えっ?じゃあ付き合ってくれるの!?」
思わず立ち上がり大声を出す池上さん。

「あの……声……」

「あ、ごめん。嬉しくて…つい」
座ると耳まで真っ赤になる池上さん。

フフッ……可愛い。
コロコロ変わる池上さんの表情を見たら
自然と笑みがこぼれる。

「私も……ずっと好きでした」

初めて池上さんを見た時の衝撃は、今も忘れない。
同じ左利きだったから……最初は、
仲間意識だったかも知れないけど
人柄に触れていつの間にか好きな人になっていた。

今も……それは、変わらない。

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