気になる彼は、左利き!?
私が見ていた事がバレちゃう。
「えっと……同じ部署の子が言っていたのを聞いて」
無理やりな言い訳をする。
「あぁ、そうなんだ?
今日は、食堂で食べる人が多いから
席を見つけるのも大変だよね。
あ、あそこ空きそうだ。
君もおいで。一緒に食べよう」
ニコッと笑顔で私を誘ってくれた。
えっ?私も一緒に食べていいの!?
言われるがまま相席になってしまった。
お互いに向き合って食べる。
池上さんは、カレーうどんとサラダ、そして
大盛りのご飯にしていた。
私は、サラダと
小さな弁当箱に昨日の残り物だけ。
これなら、無理やりでも普通の弁当にするべきだったわ。
何だか恥ずかしくなってくる。
「あれ?お昼それだけなの?」
池上さんは、私の弁当に気づいてしまった。
「は、はい。あまり食欲が無いので……」
ダイエット中だと言いづらい。
「そっか……無理しないでね」
ニコッと笑うと割り箸を割って食べ始める池上さん。
優しいな。
彼は、人懐っこいだけじゃなく周りに優しい。
心臓がドキドキする。
食べる姿を見てみると私と同じように
左手を使いうどんをすする。
その光景は、やっぱり親近感を抱く。