気になる彼は、左利き!?
すると池上さんが
「俺さ、よく初めての人に声かけられる時
”左利きなんだ?〟と言われる事が多いんだ。
なんか話すきっかけになったりしない?これって……」
得意気に言ってくる。
私は、それを聞いてなるほど……と思った。
確かに同じ台詞を言われたことがある。
現に美久と話すきっかけになったのもそれだった。
あと、池上さんに気づいたのも
彼が左利きだったからだし。
「わ、分かります……それ。
私も今の友人と話すきっかけになったのも
それでした!!」
今になったら不思議でいい思い出である。
「だろ?左利き=俺。みたいな?」
「アハハッ……それは、さすがに
凄いプラス思考ですねぇ~」
彼の前向きな発言は、私の疑問に思っていた考え方に
上手く当てはまった。
そうなのよ。
別に左利きは、悪いことじゃない。
これは……紛れもなく長所なのだ。
ずっと批判され続けて矯正させられることは、
私にとったらストレス以外なにものでもなかった。
不満で仕方がなかった。
だから池上さんの言葉は、私の心に響いて
とても嬉しかった。
「でもさ~いくら昔と違って左利きが増えて
左利き用の物が販売したとしてもまだまだ右利きが
ダントツに多いだろ?そのせいで
たまに困ることがあるんだよなぁ~例えばパソコン」
溜め息を吐きながら言ってくる。
あー分かる、分かる。