心に届く歌
「ごめんなさいお母様。
これからは気を付けるわね。
ソレイユ王国の次期国王として恥じらいのない行動を取るわ」
「よろしくねエル」
たまに思う。
お母様もメイドたちも、ソレイユ王国の次期国王として考えた行動をしなさいと言う。
それにわたしは応える。
こんなの…機械的なやり取りじゃないかって。
わたしは木に登るのが大好きで、勉強が嫌いなのに。
皆はわたしに『ちゃんとしなさい』と言う。
でもそれは……本当にわたしを見てる?
そう聞きたくなるのをこらえている。
だってわたしはソレイユ王国の次期国王。
100代にして初めての女性としての国王。
反対する者が多い中、わたしを国王にする準備はゆっくりとだけど着実に進んでいる。
今更わたしに後戻りなど出来ない。
だってわたしは、ソレイユの名を持つ次期国王なのだから。