心に届く歌
「……そんな………」
「勘違いしないでくださいね」
「え?」
「シエル様、ただ今ご自分を責めていらっしゃいませんか?
お嬢様に何てことをしたのだ、自分が熱を出さなければ良かったと。
それは、大きな勘違いでございます」
「勘違い……?
だって僕が熱を出さなければ、僕がエル様のベッドを使わなければ……っ!」
段々と息切れがしてくる。
心臓もドクドクと激しく響き、僕は体をくの字に曲げた。
「……どうされました?」
「へいっ…ハァッ…きですっ……」
眩暈がして頭が痛い。
僕はソファーの上ゆっくり倒れた。