心に届く歌
「……目、開けられますか」
「…いや、です……」
「眩暈があるからですか?」
「……そうです…グルグルします………」
「じゃあ治まったら少し目見せてもらえますか」
「……なに、するんですか」
「下瞼を少し下げるだけです。
痛いことは何もしませんよ」
僕はゆっくり目を開けた。
まだグルグルして気持ち悪くなりそうだ。
「両方少し下げますね」
「はい……」
下の瞼を下げられる。
ドクさんは医者だというから、何かわかるのだろうか。