心に届く歌
☆エルside☆
「ねぇドク」
「はい」
「少しはさ、シエルのこと救えたかな」
ソファーの上、わたしの膝の上に頭を乗せて眠っているシエル。
かなりの時間泣いたシエルは、疲れたのかわたしにもたれて眠ってしまった。
もたれているだけじゃ辛いだろうから、膝枕をしてあげる。
「救えたと思いますよ。完全ではないにしろ」
「ふふっ。
もっとわたし、シエルのこと知りたいな」
シエルの目元に光る涙を指先で拭う。
「そういえばお嬢様。
ふたつほど報告があるのですが」
「報告?」
「先ほどお話した執事の話ですが」
「そういえば随分突然だったわね。
起きて聞こえたから驚いたわ」
シエルをセレーネ家から保護し連れてくる間に眠ってしまったシエル。
ぐっすり眠る姿を見ていたらいつの間にか眠くなってきて。
起きたらドクがシエルに「執事にならないか」誘っているんだもの。
突然の話で戸惑ったけど、嬉しかったな。