心に届く歌
「シエル大丈夫?」
「……ごめんなさ…へい、き……です…」
ぎゅっと強く目を瞑るシエル。
「眩暈、そんなに酷いの?」
「……ぐるぐるします…」
前みたいに何も言ってくれないかと思ったけど、
シエルは目を瞑りながら言った。
「…気持ち悪い……酔ってしまいそうです……」
「そんなに…?横になった方が良いよ。触れるね」
シエルの軽い体を腕を掴みソファーに持ちあがらせ横にさせる。
そしてあたしがさっきまで使っていた毛布を体にかけた。
「ドクから聞いたけど、いつから貧血の症状出始めたの?」
「……いつから…?」
眩暈が少し和らいできたのか目を開けるシエル。
そして一向に答えが返ってこなかった