心に届く歌






お肉とほうれん草で出来たお粥を渋々とでも言うように、

嫌味かと思うほどちまちま食べるシエル。

わたしは自分用の、お肉のソテーとほうれん草を使ったスープなどの食事を食べながらふと好奇心で尋ねた。




「シエルって、あの両親と体格差があるよね」


「…………」




食べる手を止め、わたしをチラリと見て視線を逸らすシエル。

わたしは気にせずお粥じゃない白ご飯を食べた。




「……そりゃそうですよ…。
ご存知ないのですか…?」


「え?」


「僕……あの家の養子、ですよ」




そういえばそうだ……。




「でも引き取られたのって2歳ぐらいだよね?
それから今までずっとあの両親の元で過ごしてきたんでしょ?

体格って育てられた環境によるものじゃない?

遺伝ってのもあるかもしれないけど……」




シエルは食べる手を止めた。





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