心に届く歌






☆エルside☆





そっと伝わるぬくもり。

わたしはぎゅっと手を握る。

相手からも握られ、何だかほっとする。

ぬくもりがこんなに良いものだと知らなかった。





「この先で男女分かれているわ」


「わかりました……ありがとうございます」




シエルは頭を下げ、お風呂場へ向かおうとして、わたしは引き留めた。





「ちょっと待ってて。
バスタオルとか寝間着貸さないといけないわよね。

持ってくるから待ってて」


「わかりました」





わたしは走りながらスマートフォンを利用してドクに電話をする。

話したらすぐに予備を持ってきてくれると言ってくれた。

バスタオルはないと言うので、わたしのを貸すことにした。





「ドク……何で服の予備なんて持っているのかしら」




わたしはバスタオル片手にお風呂場へ向かうと。

壁に寄りかからずに立っているシエルがいる。

近寄ると、シエルが歌を口ずさんでいるのが聞こえてきた。






< 145 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop