心に届く歌
他愛もない話をしてシエルが来るのをドクと待つ。
本当は戻っていても良いのだけど、わたしがひとりだと寂しいだろうからと、
ドクも一緒にシエルがお風呂をあがるのを待っていてくれた。
「……エル様、ドクさん」
「シエル、気持ち良かった?」
「はい……!」
にこり、とも笑わないけれど、
シエルの声の口調は喜びを隠せないでいるようだった。
「シエル様。
少し下瞼を下げても大丈夫ですか?」
「はっはい……」
ぐっと体を固くするシエル。
触れられるのは、やっぱり怖いのかな……。