心に届く歌
「……貧血が出ていますね。
お部屋に戻ったら点滴しましょう」
「……お部屋って、どこですか?」
「わたしと一緒に決まっているでしょう」
「えっ……」
……なんだろう。
心なしかシエルの顔が赤い気がする。
お風呂に入ってあたたまったからかな?
「行くわよシエル」
「えっエル様はよろしいのですか?僕なんかと一緒で」
「良いの!」
わたしはシエルを引っ張る。
今日の夜はご飯戻さなかったけど、やっぱりすぐに体格が戻るわけではない。
折れてしまいそうな指が、わたしの手をそっと握った。
「このまま安静にしていてくださいね」
シエルが来てからわたしの部屋に置かれるようになった点滴台。
近くには貧血を治すための点滴の袋が山積みになっている。
シエルに刺したドクは、部屋を出て行った。