心に届く歌
「……僕、床で寝ますから。
エル様がベッド使ってください」
「シエル風邪引いちゃうよ?」
「大丈夫です。
僕体は丈夫なので」
「そういう問題じゃなくて…駄目よ。
わたしが許さない」
「エル様は僕の新しい主ですよ。
僕のこと色々とこき使っちゃってください」
シエルはゆっくり起き上がる。
かけていた布団が落ちたことで、わたしは初めてドクが預かったという寝間着を見た。
一言で表すと、とても綺麗だった。
丸い幻想的な月や、星々が散りばめられた黒いスウェット。
上下同じ柄で、不思議な雰囲気を持つシエルによく似合っている。