心に届く歌
シエルがさっきまで寝転がっていた場所にわたしが寝転がる。
ふわふわっとしたぬくもりが背中にじんわり沁みる。
「シエル……?」
「はい」
「……良いの?わたしが隣でも」
「僕は、構いませんよ」
「……」
ストレートに返ってくる言葉に、わたしは何も言えなくなる。
「くしゅっ」
「シエル……寒い?」
「だいじょ……ぶです…慣れていますから……」
「そっか…ノール村寒いもんね」
「くしゅっ……へっくしゅん」
小さくくしゃみを繰り返す音が聞こえる。
寒いところに慣れているって言うけど…早めにあたたかくしてあげないと。
でも布団なんて一緒に使う1枚しかないし……。