心に届く歌
「シエル。触れても大丈夫?前髪上げないから」
「……怖いです…」
「わたし傷つけないよ?シエルのこと」
シエルから許可は貰っていないけど、わたしはシエルをそっと抱きしめる。
ビクリと震えたものの、シエルは大人しくわたしに抱きしめられている。
「ゆっくり寝て良いよ。
ここにシエルを傷つける人はいないから。
シエルの嫌なことはしないよ」
そっと背中をさする。
そのまま抱きしめていると、シエルは大人しくなった。
耳を澄ませると、静かな寝息が聞こえてくる。
「わたし、何とかしてシエルの傷、癒してあげる。
あなたがひとりで抱え込まないように」
シエルはわたしの大事なお友達だから。