心に届く歌
-5- School
☆シエルside☆
「し……シエル・セレーネ、です。
よろしくお願い致します…」
全員の目がこっちへ集中する中。
噛みながらも挨拶をし、頭を下げる。
パチパチと軽い拍手を貰い、先生に言われた窓際の1番後ろに座った。
ソレイユ王国の中心街にある、国立学校。
お金持ちや成績優秀者が多く通う、国1番の進学校だ。
僕はここの3年生の教室に編入することになった。
エル様のお父上であるプランタン・ソレイユ様が、
僕の転入手続きをアッサリしてくれた。
本当は編入試験を受けるのだけど、この間お屋敷で受けたテストの結果で入学出来た。
プランタン様が色々やってくれたけど。
ここから先、目標の点数を取るまでは僕自身の力でやらなくてはならない。
お屋敷に戻ったら家庭教師さんに勉強を教わることにもなっている。
しっかりやらないと……。
そうしたらエル様に恩返しが出来るから。
執事となり、彼女にこれからの僕の一生を捧げる。
それが、僕の目標になっていた。