心に届く歌
「よろしくな!
俺アンス・クザン!
アンスって気軽に呼んでくれ!!」
やけにハイテンションな彼。
ついて行けるか心配しかない。
「は……初めまして、シエル・セレーネ…です」
「シエルか!
んじゃシエルって呼ぶな!!
敬語使わなくて良いぞ!」
「ですけど……っ」
「ちげーよシエル!ノンノン敬語!!」
「………わかりま…わかった」
慣れないタメ口を使って話す。
最後にタメ口使ったの……だいぶ前かも。
「学校案内してやるよ!ついて来い!!」
グイッと手を引かれる。
反射的にビクッと体が震えたけど、彼…アンスは気にせず引っ張って行ってしまう。
僕のポケットには貧血の薬。
飲みたかったけど、トイレに行くのは難しそうだ。