心に届く歌
わたしは大きく息を吐き、ベッドから立ち上がる。
そして広げっぱなしの国学の教科書を持ちペラペラめくった。
【ソレイユ王国の影の実態】
90%は理解不明な言葉。
残りの10%は全てこの分野の言葉は覚えている。
わたしが住む家から望める中心街。
そこはとっても活気に満ち溢れている。
許嫁・プーセを初めとした多くのお金持ちの家が建ち並び、
国のお金で造られた国立の学園があり学業優秀者も中心街出身。
争い事も起こらず、温厚な人が多いまさに“光に満ちた場所”。
苦しみも哀しみも何も知らない場所。
だけど、中心街から離れた場所にはいくつかの小さな村が存在し。
村は基本的に中心街と貧富の差が激しい。
ギリギリ生きていけるぐらいのお金で生活を営み、
学校にも行けずただお金を稼ぐためだけに生活している人が多い。
中心街に住む人々は村人を見下し優越感に浸り、
村に住む人々は中心街の人々を見上げ劣等感に蝕(むしば)まれる。
住んでいる場所で大いに違ってきてしまう貧富の差。