心に届く歌
「おっ勉強か?偉いな」
「授業ついて行けないのは困るからね……」
「わからねぇ所あったらいつでも聞けよ?」
「ありがとうアンス」
サンドイッチを食べながら、アンスが僕の書く数式を見ている。
鼻孔をくすぐるパンのにおいが……何だか拷問に思える。
きゅるるるる……
「っ」
「ん?腹減ったのかシエル」
「……別に空いてなんて…」
きゅるるるる……
「……いや絶対空いてるだろ」
「空いていないってば……」
きゅるるるる……
「……シエル?」
「……」
僕はペンを置き、お腹をさする。
僕の意思と違い、本当に素直な胃袋だ。