心に届く歌
「…………」
「シエル。無理しねぇで良いぞ。
俺半分食べてやるから」
「……ありがとう…」
食べかけのサンドイッチを渡し、息を吐くと。
段々気持ち悪くなってきて、僕はお腹の辺りをさすった。
「ん?どうした?」
「……ちょっとトイレ…」
「大丈夫か?顔青白いし汗酷いぞ」
「……だいじょ…ぶ……」
ゆっくり立ち上がり、教室を出て行こうとすると、後ろから肩を掴まれた。
ビクリと体が震え上がる。
余計気持ち悪さが増した。
「気持ち悪いのと腹痛いの、どっち?」
「え…………」
「どっちだって聞いているんだ。答えろ」
「…………どっちでも良いでしょ」
「駄目だ。答えろ」
「…………気持ち悪い」
言ってくれないと離してくれなさそうだったので、渋々言うと。
クラリと視界が揺れ、僕はその場にしゃがみ込んだ。