心に届く歌
「シエル!?」
「………吐きそっ…」
「ちょっと待ってろ」
彼はサンドイッチが入っていたビニール袋を持ってくると、僕の口に当てた。
「使え。
サンドイッチは入ってねぇから」
「……入っていたら…嫌だよっ……ウッ」
僕はビニール袋に吐き出す。
彼はずっと僕の背中をさすっていてくれた。
上下することで、それにより吐き気が強くなり、10分ほど吐いていた。
「ごめっ……もう大丈夫…」
「来た時から思っていたけど、やっぱりシエル顔色悪いな。
保健室行った方が良いんじゃねぇの?」
「2日続けて保健室なんて行けない……」
「具合悪いんだからしょうがないだろ。
恥ずかしいと思うけど抱き上げるからな」
アンスがそっと僕を抱き上げる。
僕の荷物も持ち、揺らさないよう保健室まで運んでくれた。