心に届く歌







「……37度5分。微熱だな」




保健室には誰もいなくて、アンスは勝手に体温計を使い僕の熱を計ってくれた。

体温計は随分使っているけど、やっぱり冷たさには慣れない。




「ごめんなさい……」


「謝るなって。
チャイムが鳴るまでここにいてやるよ」


「………ありがとう」


「傍に居てやるからな、シエル」





「俺すげぇ!」と自画自賛をするアンス。




傍に居る。

初めて僕にそれを言ったのは……エル様だった。





< 217 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop