心に届く歌
「……37度5分。微熱だな」
保健室には誰もいなくて、アンスは勝手に体温計を使い僕の熱を計ってくれた。
体温計は随分使っているけど、やっぱり冷たさには慣れない。
「ごめんなさい……」
「謝るなって。
チャイムが鳴るまでここにいてやるよ」
「………ありがとう」
「傍に居てやるからな、シエル」
「俺すげぇ!」と自画自賛をするアンス。
傍に居る。
初めて僕にそれを言ったのは……エル様だった。