心に届く歌
日に日に大きくなる貧富の差を、
国が放置しているわけではない。
国王であるお父様も、
妃であるお母様も、
貧富の差はどうにかしたいとしている。
でもあまりにも差が酷いためどうしようも出来ない位置に達している。
村を活性化させようと始めた募金活動も、
村を整備させようと始められたボランティア活動も、
人数が少なくあってはないようなもの。
わたしが国王になった暁には貧富の差をどうにかしたい。
でもその前にわたしには反発者を減らすという目的もある。
今から山積みの課題にわたしはどうにかなってしまいそう。
わたしは今19歳。
1年後には20歳となり、国王であるお父様から正式に国王に任命される。
“次期”という肩書きは消え、わたしは正式にソレイユ王国100代目国王となる。
1年の間にどうにかしなくちゃ。
だけど問題が大きすぎてわたしひとりじゃ耐えられるかしら。
不安もあるけど時は待ってくれないから進むしかない。
わたしに後戻りなど許されていない。
ソレイユ王国の娘として生を受けた瞬間から。