心に届く歌







それからも1時間置きぐらいに僕は戻していた。

先生はいつまでも来なくて、ひとりの保健室でただひたすら戻していた。




「うっ……」




今は胃液しか出ない。

それなのに吐き気は治まらない。

吐き疲れて肩で息をしていると、扉が開いた。




「あれ……まだ先生いねぇの?」


「……アンス…」


「うわ……だいぶ吐いたな。
新しいのに変えるから待ってろ。

今変えても大丈夫か?」


「ん……ごめんなさい……」


「謝るなって」




僕から容器を受け取ったアンスは綺麗にして、再び渡してくれた。





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