心に届く歌
「……話してくれて、ありがと」
「え?」
「言うの、辛くなかった?」
「……辛いよ。
でも、お前には知ってほしい」
アンスは僕にVサインを突き出した。
「だって、親友だろ?俺ら」
「!!」
「親友は隠し事しねぇんだぞ!
辛いことも、親友のシエルだからこそ話したんだ。
シエルじゃなきゃ話さねぇよ」
クスクス笑うアンス。
「……何で」
「え?」
「何で……何で何で何でっ!!」
僕は俯いていた顔を上げる。
そして立ち上がると、アンスの肩をドンッと押した。
アンスは背中からベッドに倒れ込んだ。