心に届く歌






次の日、ちょくちょく夜中シエルは起きていたみたいだけど、朝布団の中で眠そうに目をこすっていた。




「おはようシエル。朝だよ」


「……んぅ…ねむい……」


「眠くても学校行こう?具合はどう?」


「……頑張ります…大丈夫です……」




布団に埋もれていくシエルの布団をはらい、ピタリと額に手を当てる。

ビクッと驚かれたものの、熱はないみたいだった。




「シエル、額触られるの苦手?」


「……苦手です…」


「もしかして何か傷でもある?
触れられると痛いから触れられたくない?」


「…………」




黙り込むシエル。

よっぽど言いたくない理由があるらしい。




「……言いたくなったりしたらいつでも聞くから。
わたしはシエルの味方だよ」


「……ありがとう、ございます」


「朝ご飯食べよう。
昨日の夜は食べること出来た?」


「はい」


「じゃあ持って来てもらうね」




わたしは内線電話をし、シエルのご飯も持って来てもらうことにする。

間もなく、同じ朝食が運ばれてきた。




「いただきまーす」


「いただきます」




一緒に合唱して食べる。

ずっとこんな穏やかな日々が続きますように。






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