心に届く歌
そう呟き歩きだすけど。
正直不安でしょうがない。
誰も見ていない今この場で泣き叫んでしまいたいほど、苦しくて辛い。
先の見えない未来が怖くて仕方ない。
「でも……お守りすると決めた」
まるでそれは祈りのように。
自分は何度もその言葉を口にした。
自信がないけどやるしかない
未来が見えないけどいくしかない。
自分で未来を、切り開け。
「……さようなら、我が国」
旦那様が愛し。
奥様が愛し。
自分も愛しこの子も愛していた国。
朽ち果てる前に、さようなら。
さようなら。
さようなら。
「……サヨナラ」
その言葉は風によってどこかへ消えた。