心に届く歌
「ソンジュさん、いかがですか?」
「ええ。
文句なしの完璧さだわ」
さっきより痛めつけられた悪魔。
このまま息耐えれば良いんだけど、まぁこれぐらいにしておく。
アタシも少し甘いかしら?
「ふふっ」
「……クスッ」
アタシの笑い声に交じる、笑った声。
アタシはまさか……と思いながら、見る。
床に寝そべっている悪魔のことを。
「……は?」
「……あんた、それで満足しちゃうんだ」
倒れていた体を両腕を使い起き上がり、不敵に笑う悪魔。
アタシは頬を引き攣らせた。
「……何で、生きているのよ」
鼻や唇の端から垂れた血を、むき出しになった腕で乱暴に拭く悪魔に聞く。
立派だった執事服はボロボロで、きっと使い物にならないだろう。