心に届く歌
「……っ、かはっ…」
「苦しい?ねぇ、苦しい?」
アタシの首を絞める悪魔。
やっぱりコイツは、悪魔だった。
「そ、ソンジュさんから離れろ!!」
「うるせぇんだよ!」
悪魔に掴みかかったベレイを、簡単に弾き飛ばす悪魔。
あんな細い腕に、どれだけの力が宿っているというの。
「見ておけば?
コイツが俺に殺されるシーンを」
「かはっ……!」
首を絞める力が強くなる。
上手く息が吸えず、口をパクパク動かしていると。
悪魔は恍惚な笑みを浮かべ、あの日の台詞を繰り返した。
「俺がヤられている時助けねぇで笑ったのに、
自分がその立場になったら助けてなんて、
……虫が良すぎるんじゃね?」
「ヒッ……」
「今日ここであんたのこと殺しても良いよ。
殺されかけたこと何度もあったから、
殺すことに今更躊躇いはない」
「このっ……悪魔っ!
あんたには人の心ってものがないの!?」
アタシは息が苦しいけど一生懸命叫んだ。
逃げたくても逃げられない状態が、嫌だった。