心に届く歌
「シエルくんに呼ばれたんです、話があるって。
そうしたら、
いきなりああやって首絞められて……。
怖くなって必死に抵抗してもビクともしなくて、
ベレイが助けてくれたんですけど……。
アタシを殺せば、エル様の視線を集めるのは僕だけだって、シエルくん言っていました……」
「シエル……そんなこと言ったの?」
「言うわけないです!」
「やめてシエルくん!嘘つかないでよ!!」
アタシは顔を覆い泣き真似をする。
悪魔の焦る顔を見れて、実際は本当に満足。
「でもシエル……この怪我は?」
「いきなりソンジュさんとベレイくんに呼ばれて、ナイフで脅されたりして、着いたと思ったら鉄パイプで殴られたんです!」
「シエルくん違うでしょ!?
鉄パイプで殴ってほしいって言ったのはシエルくんじゃない!
シエルくん、怪我したらエル様に心配されるからって。
自分のことばっかり考えて行動しているくせに、嘘つかないでよ!!」
「ちがっ……違うんですエル様!」
エル様はアタシと悪魔を交互に見つめ、溜息をついた。