心に届く歌
「シーくん!」
「シェフさん!」
まだソレイユ家のお屋敷が見えていないというのに、
シェフさんが中心街の名スポットである噴水の所にいた。
「わざわざありがとう。取りに来ちゃったんだ」
「そうなんですか。
お肉屋さん、100グラムおまけしてくれました」
「シーくん気に入られたんだね。
良かった良かった。
もっと多くの人と知り合いなさい」
シェフさんは僕の頭を撫でると、「先に戻るね」と行ってしまった。
僕は歩いて戻ることにした。
お屋敷は中心街から少し離れている。
近づくごとに、人通りが少なくなってきた。
太陽も沈み始めていたので、影が多くなってきた。
狭い道を歩いていると。