心に届く歌








☆エルside☆






そのままソファーから崩れ落ちるように倒れるシエル。

わたしは急いで駆け寄った。




「シエルしっかりして!シエル!!」


「エルちゃんドクさん呼べ!」


「わ、わかったわ!!」





わたしは急いで内線電話を使い、ドクを呼んだ。

丁度休憩中だったドクは、すぐにシエルを診てくれた。





「恐らく、疲れでしょうね。
シエル様、寝不足だったのでしょう?

目の下に薄っすら隈が出来ていますから」





わたしのベッドに横になり、静かに寝息を立てるシエル。

わたしはドクの話を聞き、そっと胸を撫でおろした。




「勉強も熱心なのは良いですが、詰め込みすぎたのでしょうね」




ドクがシエルのノートをめくる。

横から覗くと、シエルのまあまあ綺麗な字で、様々な教科の文字が書かれていた。

白いページに黒い文字なので、ちょっとした呪文にも見える。



「ヒートアップしたってこと?ロボットじゃないんだから」


「寝不足な上詰め込みすぎたのでしょうね。
少し休めば良くなりますよ」


「わざわざありがとうドク」





わたしは一旦ドクとアンスにシエルを任せ、

厨房に行き冷たい氷水をはった洗面器とタオルを借りた。

戻ってきて、軽く冷やしたタオルをシエルの頭の上に乗せた。

ヒートアップしたらしい結果、少し熱を持っていたから。



「頑張り屋さんなんだから。ふふっ」



静かに寝息を立てるシエルを見て、わたしは笑みを漏らした






< 393 / 539 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop