心に届く歌
☆エルside☆
そのままソファーから崩れ落ちるように倒れるシエル。
わたしは急いで駆け寄った。
「シエルしっかりして!シエル!!」
「エルちゃんドクさん呼べ!」
「わ、わかったわ!!」
わたしは急いで内線電話を使い、ドクを呼んだ。
丁度休憩中だったドクは、すぐにシエルを診てくれた。
「恐らく、疲れでしょうね。
シエル様、寝不足だったのでしょう?
目の下に薄っすら隈が出来ていますから」
わたしのベッドに横になり、静かに寝息を立てるシエル。
わたしはドクの話を聞き、そっと胸を撫でおろした。
「勉強も熱心なのは良いですが、詰め込みすぎたのでしょうね」
ドクがシエルのノートをめくる。
横から覗くと、シエルのまあまあ綺麗な字で、様々な教科の文字が書かれていた。
白いページに黒い文字なので、ちょっとした呪文にも見える。
「ヒートアップしたってこと?ロボットじゃないんだから」
「寝不足な上詰め込みすぎたのでしょうね。
少し休めば良くなりますよ」
「わざわざありがとうドク」
わたしは一旦ドクとアンスにシエルを任せ、
厨房に行き冷たい氷水をはった洗面器とタオルを借りた。
戻ってきて、軽く冷やしたタオルをシエルの頭の上に乗せた。
ヒートアップしたらしい結果、少し熱を持っていたから。
「頑張り屋さんなんだから。ふふっ」
静かに寝息を立てるシエルを見て、わたしは笑みを漏らした