心に届く歌
「……んっ…」
「シエル!おはよう。大丈夫?」
「よぉシエル。大丈夫か?」
「……おはようございます…」
シエルは小さく欠伸をして伸びをする。
のんびりしている様子が、何だか可愛らしい。
「シエル大丈夫?」
「……大丈夫です…」
「お水でも飲む?」
「……いただいても良いですか…?」
「良いよ。淹れるからちょっと待ってね」
わたしはコップに水を注ぎ、シエルに渡す。
シエルは眠そうにしながら、上体を起こして水を飲んだ。
「けほっ」
「平気?」
「大丈夫です…ちょっと咽せて…喉が渇いていたので…こほこほっ」
「ゆっくり飲みなさいね」
シエルは少し口角を上げ、苦笑いを浮かべる。
随分前より人間らしくなってきている気がする。