心に届く歌
☆シエルside☆
僕の中で1番古い記憶は、養護施設の一室だった。
目の前には、見知らぬ男女。
隣には、施設の職員。
「シエルくん。
この人たちと一緒に暮らしたい?」
亡くなった施設長が名付けてくれた名前。
僕は頷いた。
その時見た両親は、優しそうに見えたから。
「気を付けてねシエルくん」
職員に見送られ、僕は両親と一緒にノール村を目指した。
その時繋がれた手は、あたたかくて気持ちが良かった。
幸せになれると、信じてやまなかった。