心に届く歌







煙草が原因でパニックを起こした僕は、退学した。





学校に行けば、少しは僕が生きる意味見つかるかな。

切ることでしか生きている実感の湧かなかった僕は、学校に対しそんな淡い期待を抱いていた。

見事に砕け散り、僕は期待することをやめた。




再び監禁生活が始まり、数年後。

相変わらず殴られ蹴られ罵られ、自分を傷つける生活を送っていた僕は、再び陽の下に出た。

両親は僕をつれ、中心街に行った。



両親はいつの間にか、ティラン伯爵様が考えた計画にのっていた。

その計画とは、村出身の人を雇うというもの。

今思えばこの計画も、ティラン伯爵様がプランタン国王様に気に入られたいがために考えられた身勝手な計画だとわかる。



僕はティラン伯爵様のお屋敷で働くことになった。

今まで以上の地獄が待っていると知らずに。





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