心に届く歌






「もしかしてお粥嫌い?」


「……」


「他に食べたいものある?」


「……」


「……どうしたのさ」




ぎゅっと目を瞑ったまま何の反応も見せない彼。

わたしはスプーンを置き、彼の隣に座った。




「食べたくない?」




コクンと目を閉じながら頷かれる。




「……目、開けられる?」




ブンブンと首を振られる。

お屋敷でも度々思っていたけど、目、何であんなに強く瞑る必要があるんだろう?





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