オオカミくんのトリコ
「やった!じゃあ久しぶりに四人で遊ぼう!」




「え、いーの!?西棟のプリンスもくるんでしょ?」




「いーのいーの!元はと言えば私の家だし!結衣もくるもん!一人も三人も変わらないって!」




「うーん…ウイユイがいいなら」




「いぇい!久しぶりだ!!」





私と結衣はハイタッチする。





「あ、ゴン来たから席戻らなきゃー」





「まじだ」





「席座れー」





ゴンというのは、私たちの担任の権藤武雄(ごんどうたけお)のこと。イカツイ名前にぴったりの顔で。二年男子の体育担当。





「おはよう、稲葉さん」





私が席につくと‟隣の人”が笑顔で挨拶してくる。






「おはよう、夕月くん」





偽りの笑顔を作った、朝陽だ。



運が悪い事に席替えで隣の席になってしまった。


席替えの日、窓側の一番後ろという最高の席を獲得して喜んでたのも一変、隣の席が朝陽と聞いてテンションがた落ちだ。
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