オオカミくんのトリコ
「強く言いすぎた。反省してる」



朝陽は私を抱きしめたまま耳元でそう言った。




「朝陽……私こそ…勝手にいなくなってごめんなさい」




「俺は……ただ八つ当たりしただけだから。羽衣は悪くない」




「八つ当たり……?」




「……ムカついたから」





「何に……?」





そう言った私に朝陽はため息をつき私を解放した。





「とにかく。心配させんな」





朝陽は私の髪をわしゃわしゃしてリビングに戻っていった。
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