オオカミくんのトリコ
「冬馬が……私を好き……?」






ブーッ、ブーッ



ポケットに入ってるスマホが鳴って何も考えずに電話に出る。




「もし…もし」




『死ね』




ブツッ。ツーッ、ツーッ





私は驚いてスマホを床に落とした。




不通話音のなか、冷たく吐かれた二文字が脳内でリピートされる。




死ね、ただそれだけで切れた電話。発信者は非通知。




指先が震えだし、次第に体全体が震える。
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