オオカミくんのトリコ
「俺ここ来たの何年ぶりだろ」






朝陽も降りてくと思ったけど降りずにソファーに腰掛けた。






「あ……ここは私しか鍵持ってないからね…」







お父さんが亡くなる直前、病気で入院してたお父さんからここの鍵を受け取った。



❁      ❁       ❁

「羽衣、あの部屋はお前に譲るよ」






「え……どうして?」







私は幼くてあまり意味は分かってなかったし、まさかお父さんがこのあと亡くなるとも思ってなかった。
そんな私は……




「やったあ!!パパ、ありがとう!!」





今思うと、もっとお父さんと話しておけばよかった。





だって…あれが、最後の会話だったから
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