オオカミくんのトリコ
「羽衣ちゃんと二人暮らしって聞いたときの朝陽まじ焦ってたもんなー!くそウケる!」



駿までそう言うから駿の頭を軽くはたいてやった。



「でもさ」




さっきよりも声が低くなった草野は俺を真剣な目で見る。





「いつまでも意地悪だけじゃ、だめでしょ?羽衣だって今日みたいに怒ってばっかいたらもたない。ボロボロになっちゃう」





「ああ。それもわかってる」






でも俺らは今二人暮らしをしてるわけで。万が一告白なんてしたら俺らの関係が崩れるに決まってる。






「それに、早くしないととられちゃうよ?羽衣のこと狙ってる男子なんて五万といるんだから」





それだって。わかってるんだ。


いつまでも‟幼なじみ”は通用しないこと。
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