オオカミくんのトリコ
「いーなー羽衣は!!夕月くんみたいなイケメンと幼なじみで、さらに同居までしてるなんてー」




「よくないよ!!結衣にはいつも言ってんじゃん!ドSで俺様な朝陽の本性!!私がいつも下僕扱いされてること!」





「イケメンがドSなら問題ないでしょ?」






なんだよその考え方。






「それも夕月くんなりの愛情表現かもよ?」





「ない、ない、絶対にない!!」




「朝陽は私のこと嫌いだもん」





だから意地悪してくるに違いない。






「部活の時いっつも羽衣が外眺めてるのは?」






「そ、れは……」





私は料理が好きなのと、料理の腕を上げたいからという理由で調理部に入った。



結衣と仲良くなったのもそこで。





「サッカー部ってか夕月くんを見るため、でしょ?」






朝陽はサッカー部。駿くんも。二人そろっていつもつまみ食いしに来る。





「朝陽のことみてるわけじゃないもん。サッカー観戦が好きなだけ!!」






「ふーん……素直にならなきゃ、そのうち後悔することになるよ」




「え?」




「なんでもない」
< 8 / 155 >

この作品をシェア

pagetop