オオカミくんのトリコ
遊園地を出たところで香坂が追いかけてきていないことに気づいた私は朝陽の腕を離して止まった。



「はぁ、はぁ……」




「おい羽衣。お前どーゆーつもりだよ」




朝陽はやっぱりお怒りモード。




「だって香坂が!!」




「めんどくさい奴なのは分かってるけどなんで逃げる必要があったんだよ?」




「だって……」





朝陽がモテるからでしょうが!






「だって?何だよ」





「朝陽と一緒にいるの見られたら……恨まれるんだもん……」





「ふーん。なんで?」





「は?朝陽がモテるからじゃん!!」






「あっそ。帰るぞ」




「ちょっ、朝陽いいいいい!!」




朝陽は私の腕をつかんで引きづるように駅へ向かった。
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