お菓子工房【改】
「伊織…私達、友達だよね?」
ヨルが涙を浮かべて聞く。
「当たり前じゃない。」
「じゃあ約束して?お願いだから受かって最後の一人になって…私は鏡の中から見ているから」
ヨルは伊織にいつもの手鏡を渡した。
「不安な時はいつでもこの鏡を見て?鏡の中の伊織が励ましてくれるから」
「訳分かんないよ…」
伊織もヨルも涙で顔はボロボロだった。
「こんなところではなく外で出会いたかった」
伊織はヨルを抱きしめた。
「行くぞ…」
カイリは少し躊躇いながらヨルの腕を引っ張る。
「さよなら…また会えるはずよ」
ヨルはそう言ってドアの向こうへ消えていった。