お菓子工房【改】
バタッ
誰かが倒れる音がした。
少しだけ後ろを向くとどうやら瑞子さんのようだ。
私は目の前が歪んだ。伊織もミリアもカイリもテーブルも…
そして歪みが戻ったと思えば目元があたたかくなる。
ああ…
「はい!終わりです!皆さん止めてもいいですよ!」
私は力が抜けて座り込んだ。
ジャージで汗をぬぐっている伊織は余裕の表情を浮かべている。
「瑞子さんが失格ですね。3時間は持つと思ったんだけどなー」
そう言うミリアの傍でカイリが瑞子を呼ぶ。瑞子は諦めたようにカイリの後に続いていた。
「瑞子さん!!!!ありがとう!!!!」
私は最後の力を振り絞って叫んだ。