約束のキミを。
後悔
一人で、屋上でボォー座り込む。
和斗が好き。大好き。
レンにとっての和斗は、どんななのか知らない、でも和斗が誰よりも優しいことだけは、絶対だ。自信を持って言える。
でも…。
レンには、あんなふうに言ってしまったけど、私も、レンの気持ちを考えてたんだろうか。
レンのことちゃんとわかって言ってたのかな…。
レンも、すごく素敵な人。
初めてあった日私を助けてくれた。
いつも笑顔で、お年寄りにも千奈ちゃんにも優しくて、勝くんにも、ニコニコ話しかける。
そんなレンが、どうして和斗の事を悪く言ったんだろう。
ううん。レンが呟いたときの表情とっても苦しそうだった…。
レンに、嫌われたくない…。
レンともっと、もっとお話したい。
レンともっと笑いあいたい。
いろんなことをめまぐるしく考えているうちに、いつの間にか、夜になっていた。
でも、なかなか病室に戻りづらくて、ずっと病院内をフラフラと歩きまわった。
1階の、階段で座り込んでいると、勝くんが目の前を通った。
「お前なにしてんの?」
いつもだったら、怖くて逃げてたかもしれないけど、レンのおかげで勝くんとも少しは話せるようになっていた。
「レンとケンカした…。」
私が、うつむいて答える。
「ふーん。」
勝くんはそれだけ言うと、どこかへ行ってしまう。
「ちょっと待って!!あのさ私悪かったかな?」
慌てて、勝くんを呼び止めた。
あっ…。
ケンカの内容も知らない勝くんを、引き止めちゃった…。
だけど、勝くんくるりと振り返った。
「自分で悪いと思ってんなら、悪いんじゃね?」
「でも、私…。」
ピトッ
え?
勝くんが私に近づくと、私のおでこに、冷たいペットボトルをくっつけてきた。
「それやるから、頭冷やせば?」
そう言って、さっさっとどこかに行ってしまう。
はっ、とした。
私は悪かった?
私も悪かったよね…。
わかってる…。
わかってた。レンの気持ち考えられてなかった。
感情的になりすぎてた…。
病室に戻らないと…。
私は、駆け足で病室へと向かった。