約束のキミを。
第四章~家族~

Birthday





「ねぇねぇ!レンの誕生日っていつ?」

私は、病院の雑誌を開いて聞く。

今、千奈ちゃんと二人で誕生日占いをしていた。
「レンにぃちゃんも占ってあげる!」

千奈ちゃんが、レンに飛びつきながら言った。

「6月29だよ!みくは?」

「私?3月9日だけど…。」

「…。3月9日…。み…く?えーー!!!もしかして、3月9日に産まれたからみくって名前?」

レンが、笑いながらからかうように言う。

「そうだよ。3月9日だからみく」
私は、真顔で答える。

「え?ちょっと、嘘だろ?そんな安易な…。」

「安易なんだよねー。お父さんもお母さんも、私なんてどうでもいいから」

私は、自嘲気味に笑う。

お父さんからもお母さんからも愛されていない…。名前なんてどうでも良かったんだと思う。その証拠に、弟達は素敵な意味が込められた名前だ。

「ちなはねぇー。みくねぇちゃんの名前好きだよ!かわいいもん」
千奈ちゃんが、無邪気に言う。
「ありがとう!千奈ちゃん」
私は、そっと頭を撫でながら言った。
千奈ちゃんがこういってくれるだけで、十分だ。

美空(みく)、こんな名前大嫌い。

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