約束のキミを。

いらない子

私が、まだ幼かった頃のあの日。

私は、家族からいらない子と言われているのを、聞いた。






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あの日、大きな発作で倒れた私。

集中治療室に運ばれ、私は、ずっと寝ていた。

目が覚めると、いつもは来てくれないお父さんと、お母さんが二人でベッドの横に立っているのが見えて、嬉しかった。


すぐに、お父さんとお母さんの名前を呼ぼうとして、口を開こうとした瞬間、お母さんが泣き崩れた。

あんなに感情を表に出したお母さんを見るのは初めてで、私は、慌ててまだ寝ているふりした。


「どうして、この子なのよ!」
お母さんの声がする。
「しかたないじゃないか。」

「嫌よ。こんな子産んだつもりなかったのに…。どうして?最悪よ!あぁこんな子なんていらない!どうして…。」
涙声で叫ぶお母さん。

「君の気持ちはわかるよ。でも、大きな声を出すと美空が起きてしまうだろ?」
それをなだめる、お父さん。


これが、二人の会話だった。


さ…いあ…く…。


い…ら…な…い…

いらない



いらない



いらない

あぁ。私っていらない子なんだ。
心の中に刺のように突き刺さった。


わたしはいらない子…。



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