約束のキミを。
レンは、黙って私の話を聞いていた。
この話を誰かにするのは初めてだった。
なんか、恥ずかしいな…。自分で自分の必要のなさを語るなんて…。
私がうつむく。
レンは、その私の頭をぽんっと撫でてくれた。
「みく…。みくは、なんで嫌いなの?いらない子なの?って直接両親に聞かないの?」
「だって…。だって…。もう一度面と向かって言われるのが怖い…。怖いよ…。」
私は、顔を上げずに言う。ぎゅっと握りこんだ自分の手の甲にしずくがこぼれ落ちる。
「みく!」
レンはそう言うと、私のうつむいた顔を、レンは両手で包み込み、無理やり私の顔を上げさせた。
目の前には、レンの綺麗な瞳がじっと見つめていた。
私は頬に涙が流れるのを感じながら、しっかりと見つめ返す。
「みく、大丈夫だよ。」
もう一度レンそう
言って、目を細めて微笑んだ。
レンの笑った顔は安心する…。
ぐらんっ
視界が霞んで、歪んで見えた。
あ、あれ?
どうして…。
私は、そのままレンの胸に顔を埋めるかのように倒れてしまう。
それをしっかりと、レンが、支えてくれた。
そして、遠くなる意識の中、私の名前を何度も呼ぶ、レンの声がした。